お知らせ
肥満症治療薬「ウゴービ」(GLP-1受容体作動薬)に関するお知らせ
令和6年2月22日に肥満症治療薬「ウゴービ(一般名:セマグルチド)」が発売されます。
これまで糖尿病の治療薬であったセマグルチドが肥満症にも保険適用になり、糖尿病のない方でも条件を満たせば保険診療が可能になります。
一方、セマグルチドをはじめとする「GLP-1受容体作動薬」という種類の薬剤に関しては、痩身目的の不適切使用(本来必要のない方がダイエット目的に自費で購入して使用する、通称「GLP1ダイエット」)が多くみられ、糖尿病で本来必要な人の薬剤が不足し世界的な問題になっています。
そこで、今回「ウゴービ」の発売にあたり厚生労働省からガイドラインが発表され、処方に関して厳しい条件が設定されました。概要は以下の通りです。
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【処方を受ける患者さんの条件】
1.高血圧、2型糖尿病、脂質異常症のいずれかを有している
2.BMI 27 kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害(※1)がある、もしくはBMI 35 kg/m2以上
3.「ウゴービ」の処方を受ける病院で食事運動療法の計画を立て、6カ月間実施しても効果が得られない(その6か月の間に、2か月に1回以上の頻度で管理栄養士による栄養指導を受ける必要あり)
4.「ウゴービ」の処方開始前に、その施設で高血圧、2型糖尿病、脂質異常症いずれかに対する薬の処方があり適切に治療されている
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【処方する病院の条件】
1.内科、糖尿病内科もしくは代謝内科、内分泌内科、循環器科の保険医療機関
2.下記の医師要件を満たす医師が常勤で在籍している
3.日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会の教育研修施設(※2)である
4.常勤の管理栄養士による栄養指導が可能
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【処方する医師の条件(当院院長は条件を満たしています)】
1.医師免許取得後5年以上、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、肥満症の診療経験がある
2.日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会のいずれかの専門医である
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※1 肥満に関連する健康障害
血糖値の異常、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)、脳梗塞、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常・不妊、閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患、肥満関連腎臓病
※2 教育関連施設
専門医になろうとする医師が研修する施設。各学会の指導医が在籍し、相応の臨床経験を積める必要がある。一般的には有床の総合病院(大学病院など)。
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以上より、「ウゴービ」は基本的に一般のクリニック(診療所)では処方できない状況です。当院での処方開始をお待ち下さっていた方にはたいへん申し訳ありませんが、「ウゴービ」をご希望の患者さんには処方可能な病院への紹介をいたしますのでご相談ください。(現時点ではどの病院がいつから「ウゴービ」の処方を行うかわかっていません。2月22日の発売以降、適宜情報をアップデートします)
また、今後条件が緩和され当院でも処方ができるようになる場合には、決定次第ホームページ、SNS等でお知らせします。(※上記の【処方を受ける患者さんの条件】を満たすけれども「ウゴービ」を処方可能な病院への受診がどうしてもできないという場合は一度ご相談ください。)
厚生労働省の方針による決定であり、ご理解いただけますようよろしくお願い申し上げます。
なお、2型糖尿病の患者さんへはこれまで通りGLP-1受容体作動薬の処方が可能です(オゼンピック、マンジャロ、リベルサス、トルリシティ、リキスミアなど)
令和6年2月1日 院長 岡本将英